質の良い介護を目指すなら、悪循環を断つべし!

介護業界で長年課題になっているのは、施設やデイサービス等で仕事をするスタッフ不足をはじめ、介護事故のリスクマネジメントの重要性や平均給与が他産業より低いという点です。
スタッフ不足に関しては、離職率の高さや介護職への新規就職者不足が背景にあると言われています。

老人ホームとデイサービスを並行して実施している介護事業所では、デイサービスを一時的に休止せざるを得ないほど、人手不足が深刻化しているケースもあるほどです。
このような人材不足を解消するためには、他産業に近い水準の給与アップを目指したり、体力が必要な仕事は介護ロボットを導入するなどの改善が望まれています。
しかし、実情は厳しく、特に介護スタッフの給与については介護報酬が大きく影響しているため、一筋縄ではいかないようです。
国も介護職の給与アップのために、処遇改善制度を設けてはいますが、介護士の給与のボトムアップを図るためには、長期的なバックアップが必要になりそうです。

また、介護事故は、利用者の転倒(居室・入浴スペース・廊下歩行時)や入浴時の火傷、食事介助時の誤嚥など後を絶たず、スタッフ同士のコミュニケーション不足や連携がしっかりしていないこと、見守りを集中して行っていなかったことなどが問題になっています。
介護事故を防ぐためには、事故が起きやすいシーンでの安全確認を2人以上で行ったり、事故を起こさないための講習会を実施したりして、リスクマネジメントを徹底することが求められていますが、介護士の人材不足がネックになている事業所も少なくありません。
そのため、介護の質を上げるためには、介護士を取り巻く悪循環を絶ち、処遇改善を急ぐことが鍵になるように思えます。